「外感染」の届出を理解する(歯科外来診療感染対策加算)#01
施設基準
2025/07/10
このコラムでは、施設基準「歯科外来診療感染対策加算(以下、「外感染」と表記します。)」の届出について、整理してお伝えします。
《目次》
「外感染」はどのような施設基準?
医療安全と、感染防止の2つの観点で体制を一層強化していくことから、 令和6年度診療報酬改定で、従来の「歯科外来診療環境体制加算(外来環)」が廃止されました。
そして、
・感染対策に係る評価の「外感染(歯科外来診療感染対策加算)」
・歯科外来の医療安全に係る評価の「外安全(歯科外来診療医療安全対策加算)」
が新設されました。
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「外感染」の届出が受理されると算定上どう変わる?
「外感染」の届出が受理されると、保険医療機関側は加算が算定できるようになります。
また「外感染」には、「外感染1」から「外感染4」の4つが存在し、種類によって、加算できる点数が異なります。
<外感染1>
歯科外来における院内感染防止対策に係る取り組みを行った場合、
初診時 :1回に限り12点
再診時 :2点
が「歯科外来診療感染対策加算1」として、所定点数に加算できます。
<外感染2>
歯科外来における院内感染防止対策に係る取り組みを行った場合、
初診時 :1回に限り14点
再診時 :4点
が「歯科外来診療感染対策加算2」として、所定点数に加算できます。
<外感染3>
歯科外来における院内感染防止対策に係る取り組みを行った場合、
初診時 :1回に限り13点
再診時 :3点
が「歯科外来診療感染対策加算3」として、所定点数に加算できます。
<外感染4>
歯科外来における院内感染防止対策に係る取り組みを行った場合、
初診時 :1回に限り15点
再診時 :5点
が「歯科外来診療感染対策加算4」として、所定点数に加算できます。

「外感染1~4」自院はどれが対象なの?
前述したとおり、「外感染」には4種類ありますが、医療機関によって届出できるものに制限があります。
「外安全」同様に、「歯科点数表の地域歯科診療支援病院歯科初診料(病初診)」の施設基準の届出の有無によって、届出できる施設基準が異なりますので、注意が必要です。
「外感染3」および「外感染4」
:「病初診」を届出している歯科医療を担当する保険医療機関
「外感染1」および「外感染2」
:上記を除く歯科医療を担当する保険医療機関

つまり、おおむね一般の歯科診療所では、そのほかの要件を満たせば、「外感染1」あるいは「外感染2」を届け出ることができます。
「外感染」はどれくらいの医院が受理されているの?全国の届出状況
9つの都道府県で「外感染1」と「外感染2」の届出割合を調査してみました。どれくらいの医療機関が届出しているのでしょうか。(下表参照)


「外感染1」の届出受理の割合は50~60%台で推移している都道府県が多く、上表の9都道府県では「兵庫県」が66.6%でトップであり、「東京都」が45.9%で一番低い結果となりました。
「外感染2」は、都道府県全体として一桁台の歯科医療機関が多い中、「神奈川県」が10.9%と突出しています。この中では、「北海道」が一番低く、1.2%という結果になりました。
FAQ(Q&A)
Q 届出を行いました。いつから算定できますか?
→各月の末日までに届出を受理した場合は、翌月1日から当該届出に係る診療報酬を算定することができます。
また、月の最初の開庁日に届出を受理した場合には、当該月の1日から算定が可能です。
※厚生局によっては、別途、申請締切日を設けている場合があります。詳細は各厚生局のHPをご確認ください。
※重要※
従来の届出受理通知の送付廃止が決定されました。今後は、各厚生局のHPへの掲載のみに切替わります(令和7年度中予定)。ご留意ください。
Q 歯科医院のホームページが無いため、ウェブへの掲載ができません。どうしたら良いですか?
→自院のホームページが無い場合は、掲載する必要はありません。
しかし、その場合であっても、届け出た事項を院内掲示する必要があります。自院で所有するホームページがある場合は、院内掲示の他にウェブ掲載も必要となります。「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について,厚生労働省保険局医療課長,厚生労働省保険局歯科医療管理官,保医発0327第10号(令和6年3月27日)
※自院で所有するホームページがある場合は、【院内掲示】と【ウェブ掲載】が必要です。
Q これまで「外来環」を届出していました。「外感染」の届出の手続きは必要ですか?
→必要です。
令和6年度診療報酬改定後、一定期間の経過措置が設けられておりましたが、2025年6月現在、既に終了しております。「外感染」として、新たに届出する必要があります。
Q 歯科医師1人のみで歯科医院を経営しています。
同医院で勤務する歯科医師や、歯科衛生士、該当研修の受講者が居ない場合、「外感染1」の届出はできますか?
→届出要件を満たさないため、届出することはできません。
「外感染1」の届出要件の一つとして、
・歯科医師が複数名配置されていること
又は
・歯科医師が1名以上配置されており、かつ、歯科衛生士若しくは院内感染防止対策に係る研修を受けた者が1名以上配置されていること
と定められています。
今後、増員が決まった際は、改めて「外感染1」の届出をご検討ください。
Q 「外感染2」の届出を検討しています。「感染経路別予防策(個人防護具の着脱法等を含む。)及び新型インフルエンザ等感染症等に対する対策・発生動向等に関する研修」はどこで受講できますか?
→歯科医師会や、一部の団体で対面研修、オンラインでの研修を実施しています。開催日程や該当研修が含まれていることを確認の上、受講してください。
※オンラインやe-learningシステムを用いての研修は正式に認められています。「疑義解釈資料の送付について(その4)」厚生労働省保険局医療課,事務連絡(令和6年5月10日)
Q 令和6年度診療報酬改定前の歯科点数表(以下「旧歯科点数表」という。)の「A000」初診料の注9に規定する歯科外来診療環境体制加算1の届出を行っていた歯科医療機関における、令和6年6月1日以降の歯科外来診療感染対策加算の経過措置の取扱いについて、どのように考えればよいか。
→それぞれ以下のとおり。
① 令和6年3月31 日時点で歯科外来診療環境体制加算1の届出を行っている歯科医療機関が歯科外来診療感染対策加算1を算定する場合
令和6年6月3日までに新施設基準の届出を行う必要はない。この場合においては、令和7年6月1日以降も歯科外来診療感染対策加算1を引き続き算定する場合は、届出を行う必要がある。
② 令和6年3月31 日時点で歯科外来診療環境体制加算1の届出を行っている歯科医療機関が歯科外来診療感染対策加算2を算定する場合
令和6年6月3日までに新施設基準の届出を行う必要がある。なお、この場合において、経過措置は適用されるが、令和7年6月1日以降においても歯科外来診療感染対策加算2を引き続き算定する場合は、再度届出を行う必要がある。ただし、新施設基準を全て満たした上で届出を行った歯科医療機関については、再度届出を行う必要は無い。
なお、令和6年3月31 日時点で歯科外来診療環境体制加算1の届出を行っていない歯科医療機関が歯科外来診療感染対策加算1又は2を算定する場合は、令和6年6月3日までに新施設基準の届出を行う必要がある。ただし、この場合において、経過措置は適用されない。
「疑義解釈資料の送付について(その1)」
厚生労働省保険局医療課,事務連絡(令和6年3月28日)
Q 初診料の注1、地域歯科診療支援病院歯科初診料、歯科外来診療医療安全対策加算1、歯科外来診療医療安全対策加算2、歯科外来診療感染対策加算1、歯科点数表の初診料の注16、再診料の注12、小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算、在宅療養支援歯科診療所及び在宅療養支援歯科病院の施設基準に規定する各研修について、オンライン会議システムやWEB 配信を含むe-learning 形式等を活用し、研修を実施することは可能か。
→可能。ただし、オンライン会議システムやe-learning 形式等を活用して研修を実施する場合は、出席状況の確認、研修時間の確保、受講者からの質問への対応、研修内容の理解度の確認等が行えるような形式で実施すること。
例えば、
・ オンライン会議システムを活用する場合、受講者は原則としてカメラをオンにし、主催者が出席状況を確認できるようにする。
・ e-learning 形式の場合、主催者が、受講者の学習時間、進捗状況を含め受講前後のテスト等の実施により研修の完了を把握する。
・ 受講者からの質問等について、オンライン会議システムの場合は、チャットシステムや音声発信を用いることや、e-learning 形式の場合は、別途質問を受け付け、回答できるような運用を行い、必要に応じ質問・回答について研修会のWeb ページに掲載する。
などが考えられる。
「疑義解釈資料の送付について(その4)」
厚生労働省保険局医療課,事務連絡(令和6年5月10日)
「外感染1」は、全歯科医院の半数以上が届け出している施設基準です。
一方、より高度な感染対策が求められる「外感染2」は、「外感染1」に比べ+2点の診療報酬アップに繋がりますが、多くの地域では届出率が一桁台に留まっています。これは、「感染対策に特に力を入れている歯科医院」として、他院との明確な差別化を図る大きなチャンスになります。
患者さんがより安心して通える医院づくりのため、そして医院経営の新たな強みとするために、ぜひ「外感染2」の届出取得を視野に入れた体制構築をご検討ください。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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