利用率50% マイナ保険証の利用状況と令和8年度の動き(社会保障審議会医療保険部会資料より)

経営

2025/12/18

令和7年12月18日、「第208回社会保障審議会医療保険部会」でマイナ保険証に関する利用状況のデータと、令和8年度の取り組みが公表されました。歯科が係る項目について抜粋してお伝えします。

1. 歯科のマイナ保険証利用状況

歯科受診者のマイナ保険証利用割合は約53%

令和7年10月時点の歯科診療所におけるマイナ保険証利用率(レセプト件数ベース)は52.84%となっており、他の医療機関(病院、医科診療所)や薬局と比較すると、病院(58.75%)に次いで2番目に高い水準にあります。

マイナ保険証の利用状況を調べると、病院が58.75%、歯科診療所が52.84%、医科診療所が39.09%、薬局が32.60%であった。(令和7年11月分実績より)
医院別でもマイナ保険証の患者利用が進む

令和7年10月のデータで、歯科医院単位の集計においてもマイナ保険証の利用割合の分布が40~59.99%で最頻となり、このデータからもマイナ保険証の普及が進んでいることがわかります。

歯科医院単位の集計データからも、マイナ保険証の利用割合の分布が40~59.99%の医院が多い。(令和7年10月時点)
地域差の状況

富山県(57.02%)や宮崎県(55.97%)など、5割を超える県が続々と増えています。

歯科診療所におけるマイナ保険証の利用率都道府県ランキング1位は富山県(57.02%)、2位が宮崎県(55.97%)、3位が島根県(55.92%)であり、利用率が50%超の都道府県も多く存在する。ワーストは沖縄県(24.87%)

2. 令和8年度から登場「次期カードリーダー」とは?

現行の顔認証付きカードリーダーの保守期限(令和8年3月末〜)を見据え、新しい機器への更新準備が始まります。

次期顔認証付きカードリーダーの仕様
令和8年度から順次発売開始予定。最大の特徴は、単体で「スマホ用電子証明書」の読み取りに対応することです。これにより、現在必要な外付け汎用カードリーダーが不要になります。
バリアフリー性能の向上
視覚障害者や高齢者への配慮として、音声案内機能やテンキーの搭載(メーカー判断)が盛り込まれ、受付業務の負担軽減が期待されます。
導入費用の補助
令和7年度補正予算により、導入費用の1/2を補助する予定となっています(資格確認端末の買い替えは1/3補助の予定)。

3. 「紙の受給者証」が不要に!?医療費助成の一体化

歯科診療で頻繁に関わる「こども医療費」などの医療費助成の受給者証についても、大きな動きがあります。

令和8年度中の全国展開
マイナンバーカード1枚で、公費負担医療等(公費負担医療、地方単独医療費助成)を受けられる仕組みが令和8年度中に全国規模で導入される見込みです。
受付事務のメリット
  • 紙の受給者証を確認・コピーする手間がなくなります。また患者の持参忘れによる再来院を無くすことにも繋がります。
  • 正確な資格情報がシステムで取得できるため、資格過誤による返戻リスクを低減できます。

4. 医療DXがもたらす質の高い歯科医療

診療・薬剤情報の活用
マイナ保険証を通じて、患者の過去の薬剤情報や診療情報を閲覧することで、より安全で適切な歯科処置(重複投薬の防止や全身疾患の把握など)が可能になります。
スマートフォン対応の加速
若年層を中心に「スマホ版マイナ保険証」の利用が進むため、早期のインフラ整備が患者満足度につながります。

令和8年度は、マイナ保険証利用の更なる拡大、そして次期カードリーダー導入における動きがあります。マイナ保険証は、受付業務の効率化の他、患者へのより良い歯科医療の提供にも繋がります。また、令和7年度補正予算によって導入費用の補助も予定されているため、導入にあたっては早めに情報を取り入れることが肝心です。

参考資料

この記事の関連記事

人気記事ランキング

医療法等改定|「オンライン診療」と「管理者要件」はどう変わる?中医協の最新議論を解説

令和8年4月1日から段階的に施行される医療法等改正に伴い…

利用率50% マイナ保険証の利用状況と令和8年度の動き(社会保障審議会医療保険部会資料より)

令和7年12月18日、「第208回社会保障審議会医療保険…

診療側vs支払側 意見書から読み解く

令和7年12月10日、中医協において診療側・支払側の…

「令和8年度診療報酬改定の基本方針(骨子案)」ななめ読み

令和8年度診療報酬改定の基本方針(骨子案)が発表されまし…

日本歯科衛生学会 第20回学術大会レポート「歯科医療DXで変わる! 歯科衛生士の未来 ―知る、活用する、つながる―」

歯科医療DXは、歯科衛生士の未来をどう変えるか? ―…

周術期から生活習慣病まで、歯科医療の新たな連携モデル

周術期から生活習慣病まで、歯科医療の新たな連携モデル …

【セミナーレポート】患者に寄り添う訪問歯科診療

通院が難しい高齢者が増える今、訪問歯科診療には、外来…

超高齢社会における歯科の役割

超高齢社会における歯科の役割 在宅歯科医療の需要と供給…

中医協のデータから見る! 施設基準の届出状況の推移

中医協のデータから見る!施設基準の届出状況の推移 …

「口管強」(口腔管理体制強化加算)の“疑義解釈”をみてみよう!

このコラムでは、施設基準「口腔管理体制強化加算(以下、「…

人気記事ランキング