受講者の声(VOL.02)/歯科訪問診療総合研修講座【導入コース】

配信者 メディア株式会社

 
"摂食支援を中心とした歯科訪問診療の新しいあり方を基礎から学べた希少な講座です。"

(スマイルパーク歯科・橋本 福治 先生)


勤務医時代の歯科訪問診療が私の礎を築いた

 院は2006年に「はしもと歯科医院」として開業し、2021年、新たに「スマイルパーク歯科」として生まれ変わりました。赤ちゃんからご高齢者まで、患者さんが生涯を通じて付き合える歯科医院をめざし、例えば、管理栄養士とともに赤ちゃんの離乳食教室を開催したり、通院困難な方には訪問診療を行ったりしています。

 訪問診療は、当院を開業した2006年から始めました。「なぜ訪問診療を始めたのか?」とよく聞かれますが、私自身、勤務医時代からすでに訪問診療を行っていたため、訪問診療の重要性を強く認識していたことが大きな理由です。勤務医時代は、毎日朝の9時から夜の21時まで約30人の患者さんの診療にあたっていました。とても忙しい日々でしたが、当時の経験があったからこそ、私の歯科医師としての礎ができたと思います。

 開院後は、週2日、1日8人ほどのペースで、在宅の患者さんを中心に訪問診療に取り組んでいます。現在は、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)」と「在宅療養支援歯科診療所1(歯援診1)」の認定を取得し、今後は施設への訪問診療を増やすべく、医院体制の整備を進めています。

摂食支援を軸としたこれからの歯科訪問診療を基礎から学ぶために

 が勤務医の頃は、今のように「オーラルフレイル」や「摂食支援」という概念がまだ一般的ではありませんでした。訪問歯科といえば、「義歯の調整・修理」や「口腔ケア」が主体でした。

 しかし近年は、8020運動の効果によって、一昔前に比べて歯が残っている方も多くなり、義歯のない患者さんもかなりの割合でいらっしゃいます。これまでのような「義歯」「口腔ケア」を主体とした訪問歯科だけでは患者さんのニーズを満たせない時代になりつつあることを感じていました。

 そのような中、「摂食支援」を軸としたこれからの訪問診療を基礎から学びたいと考え、『歯科訪問診療総合研修講座(日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック監修)』の受講を決めました。実はその他にも色々な勉強会に参加していますが、トピックとして組まれた講座が多く、基礎からしっかり学べないことに理解不足を感じていました。その点、この講座は基礎から体系的にカリキュラムが組まれており、これから訪問診療を始める人はもちろん、私のように訪問診療の経験がある人にとっても、自分の経験だけでは補えない知識・スキルを習得することができるようになっています。

わかっているつもりではもう通用しない認知症患者への対応

 座を受講して大きく変わったことは、やはり「口腔機能の維持・改善」「摂食支援」の部分ですね。「食べる」を支え、低栄養や誤嚥性肺炎の"予防"にいかにつなげるか。そのために何をすべきか。これまで以上に、訪問歯科における「予防」という視点を意識し、診療に取り組めるようになりました。

 また、「認知症患者への対応」においても、診療に臨むスタンスが大きく変わりました。例えば、「認知症=物忘れ」と理解している方も多くいらっしゃいますが、そんな単純なものではありません。実際には、妄想、不安、幻覚、焦燥、暴言暴力などのいわゆる周辺症状(BPSD)があり、単純に「物忘れ」と思って対応してしまうと、現場で戸惑うことが多くなります。中には噛みついてきたりする患者さんもいますので、それが「周辺症状」であることを理解しておくだけでも、現場での対応が全く変わります。

 認知症だけでなくパーキンソン病もそうですが、病気として今どのようなステージなのか、ステージごとにどんな対処法が必要なのかをしっかり学ぶことができました。

赤ちゃんからご高齢者まで患者さんの生涯を支える歯科医院をめざして

 の歯科医師としてのキャリアは、常に訪問診療とともに歩んできました。時代は変わり、歯科医療に求められる役割も大きく変わろうとしています。いくら時代が変わっても、私にとって訪問診療は切り離すことのできない仕事です。なぜなら、歯科医療こそが「患者さんが生まれた時から生涯を通して寄り添える医療人」であり、訪問診療は患者さんの人生の最終ステージで深く関わるものだからです。

 超高齢社会に伴い、外来患者が少しずつ減っているのを肌で感じています。外来で診ていた患者さんが来なくなったと思ったら入院していたというケースが増えています。本講座の講師である菊谷武先生も常々おっしゃっていますが、外来として通院できなくなったら、歯科医院の仕事はそこで終わりでしょうか。通院できなくなったら終わりではさびしすぎないでしょうか。私は通院できなくなった患者さんには、「通院できない場合は私が訪問します」と必ず声をかけるようにしています。

 時代に求められる歯科医療人として、これからも進歩しつづける訪問診療のあり方を学び、「赤ちゃんからご高齢者まで、患者さんの生涯を通して付き合える歯科医院」をめざし、地域の皆様によりよい医療を提供していきたいと思います。

 

profile

赤ちゃんからご高齢者まで、全世代の患者さんが生涯を通じて付き合える歯科医院をめざしています

 

スマイルパーク歯科

(兵庫県姫路市広畑区蒲田546)

 

■医院HP

https://smilepark-dc.com/

診療科目

一般歯科、矯正歯科、小児歯科、口腔外科

 

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