受講者の声(VOL.01)/歯科訪問診療総合研修講座【導入コース】

配信者 メディア株式会社

 
"患者さんの将来を見据え、外来時から何ができるか。その大切さを学ぶことができました。"

(医療法人 正畠歯科医院・正畠 正幸 先生)


今から30年以上前に「行きますよ」の一言から始まった当院の歯科訪問診療

 は父の診療所を継ぎ、平成15年に岡山県倉敷市に当院を開業しました。当院の特徴は、「義歯専門外来」「歯周病専門外来」「口臭専門外来」「いびき・睡眠時無呼吸専門外来」という4つの専門外来に取り組んでいるところになります。

 訪問診療は、介護保険が制定される前の1990年代、まだ歯科の訪問診療が一般的ではない時代から取り組んできました。現在は、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)」「在宅療養支援歯科診療所1(歯援診1)」の認定を取得し、ご自宅から特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームなどにお伺いしています。主に木曜日と日曜日・祝日に行っておりますが、その他の平日もなるべく患者さんの都合に合わせて、外来診療と並行しながら行っています。

受講の理由は、基礎から臨床までトータルで学べるところ

 回、『歯科訪問診療総合研修講座(日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック監修)』を受講した理由は、基礎から臨床までトータルで学ぶことができ、体系的に理解できる形になっていたからです。またコロナの関係上、Web上で完結できるオンライン講義を取り入れている点も大きな魅力でした。

 講座内容で特に印象的だったのは、「外来の時から患者さんの将来を考える」という部分です。患者さんがご自分の足で来院できる元気なうちから、「今のうちにしておけることはないか」「寝たきりになった時のためにこれをしておこう」ということをいかに考えられるか。そのようなスタンスが、よりよい訪問歯科につながることを認識することができました。

 例えば、ご高齢になると骨粗鬆症の薬や抗血栓薬などの服用中薬剤の影響で、抜歯はリスクの高いものになります。しかし、そのリスクを恐れて放置しておくと、患者さんが将来、介護が必要な状態になった時、口腔衛生管理が困難になり、齲蝕や歯周病の悪化、誤嚥性肺炎などのトラブルを招くことになります。このことを深く学べたことで、今まで躊躇しがちだったケースにおいても、患者さんとしっかり話し合いながら積極的にアプローチできるようになりました。

本講座で得た多くの知識とエビデンスで、根拠のある歯科訪問診療へ

 問診療の現場に出れば、経験値は上がります。しかし、それだけでは不十分です。このような講座を受講し、体系的にまとめられたエビデンスに触れ、「自分のやり方は間違っていなかった!」と感じられると、とても自信になることを実感しました。まさに、「知識と技術とエビデンスの融合」というところでしょうか。根拠のある訪問歯科を行うためには、やはり体系的に学ぶことが重要なのです。

 例えばパーキンソン病の患者さんは、調子が良くなったり悪くなったりする状態がよくあります。このような変化は、薬の血中濃度や種類によって症状の出方が変わるせいだと考えられています。投薬についての知識があれば、きちんと理解した上で対応することができるのです。「こうすればこうなる」というエビデンスを多く得る機会があれば、より確信をもって診療に当たることができます。引いては、医療人としてのやりがい、喜びにつながりますし、患者さんの喜びにもつながります。

歯科医療人としての使命感がすべて。患者さんを一生見守る覚悟で

 の場合は「患者さんのために何が出来るか」と考えた時に、その答えが訪問診療でした。これから訪問診療を始める先生方が、もしそのような気持ちをお持ちなら、訪問診療の世界に入りやすいのではないかと思います。単に「か強診や歯援診を算定するため」「外来が減ったから」「とりあえず新人の先生に任せておこう」という気持ちで向き合えるほど簡単なものではありません。

 医療人として、どのようなことに向き合うべきか。そんなことを自分自身に問いながら、訪問歯科の扉を叩いていただければと思いますし、そのような先生方にとって、訪問歯科のあり方をしっかりと学べるこのような講座は大変有意義だと思います。

 訪問診療を行う上で、何より大切なのは、その患者さんの最期の瞬間まで出来ることを探しつづけるという覚悟です。「出来ること」というのは、何でもすればいいというわけではありません。「どうすれば患者さんに満足していただけるか?」ということです。それができない医療人は、おのずと患者さんの信頼を失ってしまいます。患者さんが抱えている問題をいかに的確に把握して解決できるか。私の訪問診療、そして医療人としての使命感は、すべてここにあるといっても過言ではありません。

 歯科医師の父の跡を継ぎ、自信がない時期も経験し、挫折も繰り返してきました。そんな中で私の「行きますよ」から始まった訪問診療は、30年以上続いています。

「歯科医療人としての使命感がすべて」という、シンプルであまり器用とはいえない思いを、今日まで信じて歩いてこられたことに深く感謝しています。

 患者さんの「満足・笑顔・喜び」を大切に、これからも心のこもった医療を提供していこうと思っています。

 

 


 

profile

地域に根ざし、一般歯科から矯正、小児、歯科訪問診療など幅広い診療を行っています

 

医療法人 正畠歯科医院

( 岡山県倉敷市中央2丁目18-8)

 

■医院HP

https://www.shobatake.com/

診療科目

一般歯科、矯正歯科、小児歯科、口腔外科

 

※訪問歯科は外来診療(院内診療)の出張サービスではありません。

 


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