《骨粗鬆症と歯科との関係》#09 骨粗鬆症、からだの入口、消化器疾患としての歯周病から考える！

消化器疾患である歯周病の組織破壊の本態は、口腔内細菌叢の量的・質的構成異常（dysbiosis、ディスバイオーシス）の結果誘発される慢性炎症である。その罹患した歯周ポケット内面の一部では上皮細胞の連続性が破壊されることにより潰瘍面が形成され、易出血性になり、歯周組織だけでなく全身的に軽微であるが、慢性的な炎症状態を持続させ、様々な疾患の発症・進行リスクを高めると考えられている。その結果、糖尿病、骨粗鬆症等、50以上の全身疾患が歯周病と独立して関連していることが判明してきた。さらに歯周ポケットが、新型コロナウイルス（severe acute respiratory syndrome coronavirus 2、SARS-CoV-2）の貯蔵庫ともなり得ることが危惧されている。

したがって、歯周病治療を通じて、骨粗鬆症のため骨粗鬆症治療薬服用中の患者や無自覚の潜在的な骨粗鬆症患者を意識した診療が行われれば、潜在的な骨粗鬆症患者を見つけだし、骨粗鬆症の早期治療を促すことができるため、その意義は大きいと言える。

本講演では、消化器疾患である歯周病と骨粗鬆症との関係について総括し、連携治療症例を呈示しながら、解説する予定である。

【座長】田口 明 先生

松本歯科大学歯学部歯科放射線学講座　主任教授
同大学院歯学独立研究科硬組織疾患制御再建学講座　教授
松本歯科大学病院放射線科　科長
香港大学歯学部　名誉教授

【学位】

博士（歯学）

【略歴】

1988年3月25日　 広島大学歯学部卒業
1992年3月25日　 広島大学大学院歯学研究科博士課程修了
1992年4月1日　　広島大学歯学部助手（歯科放射線学講座）
1995年4月1日　　広島大学病院講師（歯科放射線科）(2006年まで）
1996年10月1日　 ワシントン大学口腔内科学講座客員教授（1997年まで）
2006年10月16日　広島大学病院診療准教授（歯科放射線科）
2008年6月1日　　松本歯科大学歯学部歯科放射線学講座教授（現在に至る）
2011年4月1日　　広島大学原爆放射線医科学研究所非常勤研究員（現在に至る）
2013年4月1日　　東京大学医科学研究所非常勤講師（2017年まで）
2017年3月1日　　香港大学歯学部名誉教授（現在に至る）
2017年4月1日　　広島大学歯学部非常勤講師（現在に至る）

【所属学会】

日本歯科放射線学会（理事、代議員，利益相反委員会委員長）
日本骨粗鬆症学会（理事会監事、評議員、国際委員会委員、A-TOP実行委員会委員、和文誌編集委員会委員）
日本歯科医学会（学術研究委員）
日本画像医学会（評議員）
日本歯周病学会（評議員）
日本骨代謝学会（評議員）
日本口腔外科学会（顎骨壊死検討委員会委員）
アジア骨粗鬆症学会連盟（日本代表理事）
国際骨粗鬆症財団（国際顎骨壊死タスクフォース）

【講師】稲垣 幸司 先生

愛知学院大学短期大学部歯科衛生学科　教授
同歯学部歯周病学講座　兼担教授
愛知学院大学短期大学部歯科衛生士リカレント研修センター所長
子どもをタバコから守る会・愛知　世話人代表
歯周病専門医、日本歯周病学会指導医・常任理事（健康サポート委員会委員長）、日本歯科保存学会認定医、日本禁煙学会専門医、日本禁煙科学会禁煙支援歯科医、禁煙心理学研究会世話人、日本小児禁煙研究会理事、日本病巣疾患研究会理事

【略歴】

1982年　愛知学院大学歯学部　卒業
1986年　愛知学院大学大学院歯学研究科修了
1989年　愛知学院大学歯学部　歯周病学講座　講師
2000年〜2001年　ボストン大学歯学部　健康政策・健康事業研究講座　客員研究員
2005年　愛知学院大学歯学部　歯周病学講座　助教授
2007年　愛知学院大学短期大学部　歯科衛生学科　教授、愛知学院大学歯学部　歯周病学講座　兼担教授
現在に至る

歯科医師、医師、歯科衛生士、および骨粗鬆症リエゾンサービスに携わる医療・介護専門職及び従事者

2022年11月15日（火）20時～21時15分（アーカイブ配信期間：11/17(木)~11/28(月)まで）

※講演60分＋質疑応答の予定

※12日間のアーカイブ配信あり

3,300円（消費税込）

※職種問わず受講料は同料金となります。
※お客様都合によるキャンセル・返金はお受けできません。

※ZoomによるLive配信を予定

お問い合わせ先：IOCiL運営事務局
E-mail：support@iocil.jp　TEL：03-6891-7110